こんにちは。一級建築士事務所のfabric dgです。
再生可能エネルギー開発に資金がまわる改革がなされましたので詳細をお伝えいたします。
(1)国が長期的な高い再生可能エネルギー目標を定め、企業・投資家が安心して、資金を投入できる環境をつくる。
(2)公的、私的を問わず、年金基金の資金をESG投資へ誘導するため、すべての年金基金にESG投資を実施しているか否かを報告させ、「否」の場合にはその理由等を開示する仕組みを導入する。
再生可能エネルギーを作りやすくする改革
(3)再生可能エネルギー開発に関する規制緩和
耕作放棄地を有効活用できるよう農地法・農振法の運用を改革。
農振除外、農地転用許可の要件を緩和し、土地の有効利用を可能にする。
国有林・保安林における自然エネルギーの調査・開発制限の見直し。
風力発電設備などを公益的施設に位置づける。
環境アセスメント手続きを迅速化する。
(4)再生可能エネルギーの送電網への接続に関する規制改革
基幹送電線の利用実績の報告と公開を実施する。
既存電源を含めた、より合理的な接続管理への改革を行う。
限界費用の低い電力から優先的に供給するルール(メリットオーダー)を徹底する。
再生可能エネルギーを使いやすくする改革
(5)非化石証書を改め、グローバルスタンダードに沿った環境価値のトラッキング制度を整備
どのような再生可能エネルギー電源でも同じ環境価値となってしまう現行の非化石価値証書を改め、どの地域のどんな電源が環境価値の元になっているかの情報をトラッキング(追跡確認)できる制度を透明性の高いプロセスで整備する。
(6)需要家と発電事業者でPPA(電力購入契約)を可能に
需要家である企業が発電事業者と電力購入契約(PPA)を直接締結できるよう改革し、企業の電力調達手段の選択肢を増やすことにより、条件に合う自然エネルギーの電力を購入しやすくする。
これを受けて、ニッセイアセットマネジメント、花王、リコー、ソニーのJCI企業4社の代表者が、自社の取り組みの報告や政府への要望について発言した。この中で、日本での再エネ供給の遅れがもたらしている深刻な事例として、以下の状況が紹介された。
世界の自社拠点の中で、欧州などでは既に半分程度を再エネに切り替えているが、日本では思うように調達できず1%台にとどまっている。
主力製品の供給先から2030年までに再エネ100%での製品製造を求められているが、工場立地地域の再エネ供給が限られている。
一方、「日本企業が連携して取り組めば、脱炭素化に向けた新たな技術開発を加速することができる」という発言や、「エネルギー政策の長期的な方向を明確に示してもらうことにより、投資リスクを下げることができる」との指摘があり、国のエネルギーミックスで2030年に再エネを40%以上にする目標が必要という要望も出された。