page top

お知らせ

  • EVのリアル、ノルウェーは街ごと スタンドから家まで

    北欧ノルウェーで政府や企業が交通インフラを「脱炭素仕様」に塗り替えようとしています。
    給油所は電気自動車(EV)の急速充電設備に置き換わり始め、タクシーやトラック、フェリーに至るまで電動化が進んでいます。EVを生活のメインとして普及させるためには、住宅も含めて街のインフラをまるごと脱炭素社会に合わせる必要があります。最先端のノルウェーで、EV仕様に変貌しつつある街の未来を探りました。
     
     

    首都オスロから西に約80キロメートル、5月に開業したガソリンスタンドとコンビニエンスストアの複合店「サークルKコングスベルポーテン店」を訪ねました。日本でも親しまれた、円の中にKのロゴが見えます。

    客がミニバンを止めようとしたが、けげんな顔で出て行きました。並んでいたのは全てEV用の急速充電設備だったからです。6基の充電器が計12台に充電できるようになっていて、1基の出力は300キロワット。急速充電でも22キロワットや50キロワットがまだ多いなか、乗用車向けでは世界最速クラスです。

     

    ガソリンは店の奥

    韓国・現代自動車「アイオニック5」を充電していたイェンスさんに聞くと「80%までなら18分」と教えてくれた。18分で約350キロメートル走れます。敷地内には子供が遊べる遊具や50席の飲食スペースもあります。店員のビヨリグさんは「『ガソリンはどこにいった?』と聞かれることもある」と話しました。ガソリンも給油できるますが、敷地の奥で目立たないようになっています。

     

    サークルKコングルベルポーテンに並ぶ18口の急速充電器のうち12口は300キロワットと非常に速い

    サークルKはノルウェーで450カ所のガソリンスタンドを運営し、そのうち約90カ所に600台分の急速充電設備を備えています。

    主要な幹線道路には設置を完了した。サークルKのeモビリティー事業のトップ、ホーコン・スティクスレッドさんは充電ステーションについて「成長の速度は速い」と手応えを感じています。

    コングスベル店の給油と充電の売上高の比率は7対3だが、ノルウェーではEVシフトで2年前から燃料販売量は毎年数%ずつ減り始め、スティクスレッドさんは「来るべきエネルギー構成の変化に備える必要がある」と語りました。

    ノルウェーEV協会のスべイヌン・クオーレ上席顧問は「EVがメインの車として日常から休暇までカバーする過程で、インフラの充実がカギになる」と話します。ノルウェー政府は2017年に主要幹線道路の50キロメートルごとに少なくとも2口の急速充電器を設置するプログラムを開始し、民間企業のために基金を設けました。

    欧州代替燃料オブザーバトリー(EAFO)によると、最新のノルウェーの高速道路100キロメートルあたりの公共急速充電器(22キロワット以上)の口数は1200以上と5年前の約5倍。

    欧州連合(EU)全体の26、ドイツの70をはるかに上回る。スべイヌンさん自身も「電池残量10%を切らないと不安に感じない」と話しました。